世田谷童貞機構


「もし日本が戦争に負けていなかったら。」
昭和85年(西暦2011年)。大日本帝国は超日本帝国になりました。
戦争に負けなかった帝国民に西洋化の影響は無く「恥」の文化が栄えました。それはもう過剰なまでに。
テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット。すべての媒体からエロが根絶されました。
帝國は「恥の概念」を利用し国民の統制を図っていたのです。
しかし、帝國の繁栄とは人口を増やすこと。
帝國の首都、東京は区ごとにイロマチと呼ばれる性の解放区を設立しました。
そこでだけ、人々は「恥」を捨てることができます。
年齢を問わず、肉体的な成熟さえあれば、誰でも立ち入り、性交の機会を得られるのです。
イロマチ条例の施行により、東京都民は爆発的に増えました。
これは、そんな世界の、とある日常。
変わらぬ若者の青春の爆発です。

【ドリルチョコレート×キコ 公演の経緯】
ドリルチョコレート、今回は【キコ qui-co.】と一緒に駅前劇場にて「世田谷童貞機構」平日二日間公演です。
なんでまたこういう形になったのかというと、小栗剛という人が主宰をしている【キコ qui-co.】という演劇のユニットがありまして、僕はまあ、観たことはないんですが、遠巻きに小栗君を眺めているうちに(実物を見たことはなかったけれども)なんていうか「この人は、頭がおかしいんじゃないか」という、文字にするとあれですけど、そうではなくて、良い予感しかしないので(ここら辺もニュアンス重視)「なんか一緒にやろう」と勝手に思い立って一方的に「6月に駅前劇場おさえてあるんですけど(平日二日間)一緒にやりませんか」と声をかけ、快諾してくれました、ので、やっぱり頭がおかしいんだと思います。

実際会った時に小栗君から「じゃあ、僕が原案をやりますから櫻井さん脚本で」みたいな流れの会話になったので、今回、そういう形になりました。
そういう形になって、やっぱり、良い予感しかしませんので、これで良かったんだと思います。
(櫻井智也さんのコメント)

2010年、冬。
暇でした。
多摩川のあたりを自転車でフラフラしていたら、面識ゼロの櫻井さんからメールが来ました。
面識ゼロの人から「一緒にやらない?」というお誘い。なんて非常識な人なんだろう。
僕だっていろいろ都合や心の準備やらで手がいっぱいなのに。いつだっていっぱい。
今日だって仮面ライダーアマゾンのまだら模様の模写をしなきゃいけないんだ。
僕はね、暇じゃない。
僕の指は即座に「やります。」と返信していました。
何をやるんだろうなってずっと思っていたら、こういうことでした。
いい予感しかしない。たしかに、本当にそうです。そして面白いことにその予感は終演後もずっと続いています。
(小栗剛 終演から2ヶ月、夏)

【原案】小栗剛(キコqui-co.)
【脚本】櫻井智也(MCR/ドリルチョコレート)

【演出】櫻井智也と小栗剛

【CAST】
小栗剛(キコqui-co.)
櫻井智也
諌山幸治(ブラジル)
本井博之(コマツ企画)
宮本奈津美(味わい堂々)
三科喜代

【舞台監督】金安凌平
【照明】久保田つばさ
【音響】平井隆史
【宣伝美術】メリケンサック
【制作】ドリルチョコレート・塩田友克
【製作】ドリルチョコレート